第5回埼玉県ミドル失語症者の会
もともとは、荘子の言葉で、「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があります。若い世代にいう言葉で、中高年、いわゆるミドルには、ちょっとだけ違和感があります。
だんだん、アラフィフ世代になっていくうちに、井の中の蛙、青二才やなまいきなどは、どっかに捨ててきたような感じがしています。20歳~30歳頃、あの頃は懐かしいです。ふっと、目頭があつくなります。でも、「青二才」「なまいき」とは、まわりの人がいう言葉で、私は好きではありませんが・・・。
病気で倒れて、あるいは事故にあって、後遺症で、失語症になり不自由な生活をしています。私が思うのは、本当に「井の中の失語症者」。狭い空間に追い込まれていくのです。焦りから来る困惑、迷い、挫折感、私も経験があります。
だけれども、「大海を知らず」。失語症は、僕一人だけなんだと思っている方は、大間違いです。初めて若い失語症者のつどいに出ようと思ったことは、正しい事だったと思います。証拠に、その困惑から抜け出し、元気、勇気をもらえました。みんな、リハビリや日常会話でも、失敗をし、なにくそ負けるものかと思っているんだと。そして、現在でも参加する事で、前を向いて進んでいます。たぶん、「若い」や「ミドル」は関係ない、障害を負ってからの年数だと思いますよ。
「井の中の蛙~」に、日本の某氏が続きを作りました。「されど、空の深さを知る」。これに「されど」を「そして」に替え、「空」を「言葉」に替えて、読んでみましょうか。「そして、言葉の深さを知る」。狭い世間を知っている者も、広い世間を知っている物も、両者とも、言葉の意味、感じ方などを改めて知っていると思います。
もう一回、読んでみましょう。「井の中の失語症者、大海を知らず、そして、言葉の深さを知る」。みなさん、広い世間を見てみて、そんな窓口として、ミドルの会は待っています。
私が今書いている文章は、1人で「書く」という事は出来るけれども、ミドルの会に出てくれば、「聞く」「話す」「動作」「感じ方」などで、「生きた会話」をする事が出来ますよ。第5回埼玉県ミドル失語症者の会は、平成24年3月17日(土)です。その時に、会いましょう。
埼玉県ミドル失語症者の会
平成24年2月 会長 友井規幸