第60回埼玉県若い失語症者のつどい

 

「明日からやるぞ」

 といってずっと1歩も踏み出せない人がいます。

 それは、その人が悪いわけでも、他の人より劣っているわけでもありません。

 ただ、完璧主義なだけなんです。

 100%のものをつくろう、100%成功させなければ・・

 この気持ちが、行動を先延ばしにします。

 子供の頃に、はじめて乗った自転車を思い出してください。

 はじめに漕ぎ出したペダルがとても重かったですよね。

 だけど、ペダルが回り始めると、そんなにペダルを漕がなくてもスイスイ自転車が進んでいった、あの感覚を思い出してください。

 いったい、何が言いたいんだよ。わかりづらいですね。

 まず、「初めの1歩=行動」を起こしてください。

 という事をお伝えしたいんです。

 「100%成功させよう」というあなたの気持ちはわかります。

 何かを始めれば、とことんまでしっかりやるあなたの事です。ですから、100%成功しなければ・・

 というあなたの気持ちは痛いほどわかります。

 しかし、その気持ちをグッとおさえてまずは、1歩踏み出してみてください。

 ときどき顔を出す、いやもう行かないから1回だけでもいいじゃないですか?
ですから、まずは、行動を起こしてみる。これが大事になります。

 あなたがアクション(行動)を起こせばなにかが動きだします。
中途半端でもいい、三日坊主でもよいのでまずは、1歩踏み出してみてください。

では、3月19日にWith Youさいたまでお会いしましょう!

 

埼玉県若い失語症者のつどい
平成29年2月 会長・志村 高広

 

 

第28回埼玉県ミドル失語症者の会

 

亡くなった言語聴覚士の遠藤尚志先生。思えば、その先生がプラス思考の要素になった先生です。私は日本失語症協議会からの紹介で、日本障害者リハビリテーション協会の月刊誌「ノーマライゼーション」の原稿を書きました。題名は、「埼玉県若い&ミドル失語症者のつどいの活動」です。その中で、ちょっとだけ遠藤先生を書きました。原稿は文字数制限がありまして、ここでは書き足りない部分をみなさんと共有したいと思います。

2000年、36歳で発病した私は、若い世代に失語症はいないんだ、そう思っていました。今になって見てみれば、浅はかだとは思いますが悩みました。生きていても仕方ない、死んだ方がましだと思うくらいでした。当然、各失語症者の友の会に行っても、年上の当事者ばかりいて、入会したくないと思っていました。まさに、マイナス思考でした。

その頃、私は埼玉県総合リハビリテーションセンターの外来に行っていました。広報誌で知った私は、ある日、言語訓練のSTさんに言いました。「ある有名な先生が来て、講演をしてくれるんです。失語症なので不安です」と。

2002年2月、失語症になってから、初めて講演会へ行きました。登壇者は、遠藤先生でした。先生は講演をし、失語症ライブもしてくれました。内容はもう覚えていませんが、聞き取りやすく、遅いわけでもなく、早いわけでもなく、自分が失語症者であることを忘れるくらいに、普通に話してくれました。

講演会の終わりに、先生は「失語症の若者は集まって下さい」。私も参加しましたが、でも、年上の人ばかりでした。が、次の瞬間、数人の若者が出てきました。その若者に対して、先生は、いろいろな冗談を交えながら面白かったこと、悔しかったことをみんなに聞いてくれました。先生が私に「東京で若い失語症者のつどいがあります。一度、出たほうが良いのではないでしょうか?」と。私は若者がいるのか分からないなあと半信半疑でした。

2002年4月、つどいでお世話になっているSTのTさん(新しい姓はIさん)に連れられて、若い失語症者のつどいに行って見ると、びっくりしました。多くの若い失語症者がいて、しかも年下の若者がいて、あまりの嬉しさと勢いを感じて、もうぼろぼろ涙が止まらなかったのを覚えています。この日から、プラス思考が芽生えたかもしれないです。遠藤先生は、「この現状を見なさい」というメッセージを伝えたかったのかもしれません。

事実は、どうしても現実なので、マイナス思考になるか、プラス思考になるか、自分で考えるしかないです。しかし、影響してくるものは、人であったり、歌であったり、文章であったり、さまざまです。みなさんは、どうですか?

埼玉県ミドル失語症者の会
平成29年2月 会長・友井規幸