第46回埼玉県若い&第14回ミドル失語症者のつどい

STの遠藤先生がお亡くなりになってから、1周年が経ちます。丁度、2013年4月、桜が散り始めたころ、遠藤先生のニュースを知りました。遠藤先生は相当な熱望を抱えて、埼玉県の若いつどいに期待を寄せていたと思います。今、ばらばらになってしまう前に力を与えてください。あらためて、合掌。

さて、今回話をするのは、仕事のいじめの問題についてです。障害者雇用促進法という国の指針で、会社に対して、雇用する労働者の2.0%とする義務があります。つまり、会社100人いると、障害者2人がいる。それが義務、となっています。ある程度は、パワハラや障害者差別など、新聞などで読む限り、改善がみて取られていると思います。

ただ、失語症者の中には、こういう事を経験した人はいませんか。ある時に、「上司が1対1で座談会を開く」ことが決まりましたと。一般の社員は、あんな事も言おう、こんな事も言おうと、心待ちにしているはずです。一方で、失語症者の社員には、座談会という事は、困難な方法です。「あんな事も言おう・・・」という前に、何よりも喋る事が出来ない。それに、書くのもダメ、上司の言っている意味の理解も遅いし、どうしょうか・・・。

STの先生もいないし、会話パートナーもいないし、会社の友人もそこまで仲良くはないし・・・。自宅に帰って、両親や妻や夫に言おうと思っても、「上司が座談会をやる」と言えない、または、遠慮して言えない。段々、うつになっていくかもしれません。

上司は、一般の社員にしか気を廻してくれないのです。ここが、失語症者にとっては、配慮が足りないのです。上司は、「失語症者には、座談会を持つことは強制しません。でも、いつでも座談会を持つつもりでいます。」と言ってくれれば良いだけです。

でもね、上司は、失語症者などがつらい通勤やきつい仕事などに理解は、十分にあるはずです。喋る機能や理解する機能を壊されているのなら、座談会はしないはずです。失語症者と上司は、ちょっとしたミスで、そうなってしまうのです。

座談会じゃなくても、電話や連絡、報告など、口で伝えるものは、極力避けてくれるのです。企業はそういうものだからです。そのかわり、無断欠勤や遅刻などには、気をつけていってくださいね。たぶん、上司は怒るでしょ。まあ、そういうことをする失語症者は、いないでしょう(笑)

埼玉県若い&ミドル失語症者のつどい
平成26年4月 友井規幸