第43回埼玉県若い&第11回ミドル失語症者のつどい

普通の人たちにも言えることですが、失語症者の結婚は、それは、それは大変な事です。障害者ではなくって、独立した「大人」になるからです。それに、1人ではこれは出来ません。相手がいる事なんです。しかも、「愛」を語り合って、築くものです。

埼玉県若い失語症者のつどいから、約10年で、4組のカップルが結婚しました。つどいの当事者は、約50~60人。その中から、4組。凄くないですか?

今回、1カップルの結婚式に行って来ました。失語症者は女性です。綺麗な花嫁で、チャペルで式を挙げて、フラワーシャワーでお祝いをしてもらい、私は、涙、涙でした。ご披露パーティーは、新郎新婦ともガチガチで、どうなるかなと思いましたが、スピーチが入るころになると、だんだん、緊張が解けてきて、笑顔も出て来て、リラックス出来たのかなあと思います。ケーキカットをして、色直しをし、今度は緑のドレス。友達などの歌も良かったです。最後の親に向けた新婦からの手紙が泣けるものでした。最高の式と披露パーティーでした。なにか、親の気持ちに成り替わった気持ちで見ていました。

4組のカップルの皆さん、お祝いの言葉です。もう恋人じゃないんですよ。恋人は互いに「相手」の事を良く見ていかないといけません。でも、夫婦になると、一緒に「未来」を見ていかないといけません。「相手」の事はおいといて、どんな「未来」にしていくのか?一緒に語りあって考えていく事が重要だと思います。

最後に、結婚は、失語症者の当事者が一番大変な事は分かるのですが、一番、お世話になった家族も、大変だったと思います。家族は、想像するに、脳卒中や事故にあって、死を意識したでしょう。後遺症になって、半身麻痺や失語症など聞いたことも無いような単語。地獄だったと思います。リハビリをし、学生は通学や学校生活など、社会人は通勤や会社での生活、仕事など、家族は一緒になって考えてくれました。

でも、「結婚する」というだけで、家族は変わりませんからね。今までの関係は続いていきます。普通のように、家族は、いつも変わらずいてくれるし、頼っていいのではないかと思います。4組のカップルの皆さん、末永くお幸せになってください。


埼玉県若い&ミドル失語症者のつどい
平成25年9月 友井規幸