第40回埼玉県若い失語症者のつどい
~はじめの一歩〜
失語症者の雑談は、「う~ん」(笑)から始まって、「やっ・と・春・ら・し・く・なっ・て・き・ま・し・た・ね」の天気の話や、親しくなったら共通な趣味、「巨・人・は・ド・ラ・フ・ト・で・い・い・の・が・入・り・ま・し・た・ね」など、さまざまな所で出てきますね。
一般人の雑談から比べると、失語症者は、いろいろあって難しいのですが、最初に難しいのが「言葉の類義語」です。私の「言葉の類義語」というのは、例えば「子供」。「子供」は、「お子さん」「長男」「お嬢さん」「坊主」「孫」などがあります。そう言った言葉を類義語と呼びます。
STの訓練では、「子供を誉める」で、OKですが、雑談では、親のAさんに対して、「子供を誉める」から「お子さんを誉める」に替わった方がいいと思いませんか。祖母のBさんに対して、「子供を誉める」から「お孫さんを誉める」に替わった方がいいと思いませんか。
失語症者がリハビリをやり、やっと出てきた言葉の数々。それを状況や判断で、「子供」を使わないで、「お子さん」にしろと、丁寧な日本語は言うのです。元気な頃、「子供」=「お子さん」は出来たはずなのに、障害を持ってから、雑談といえども考えるようになりました。
余談ですが、エレベーターの中で、3人組(初老の男性と女性と赤ちゃん)と私だけ乗りました。私が「(赤ちゃん、)カワイイですね」。女性「(笑)」。私が初老の男性に「お孫さんはカワイイでしょ?」と。3人組「・・・・?」。・・・・本当は、両親!!シマッタ・・・。
雑談は、私の予想では、リハビリに重要なものです。もちろんSTの訓練というのはありがたい事なんですが、普段の雑談は、勉強になりますし、参考になります。
失語症者は、このつどいに出て来て(他の会でも良いんで)、出来るだけ会話を楽しんで下さいね。いつか、「子供」や「お子さん」と言えるようになるまで、一緒に学んで、楽しんでいきましょう!!
埼玉県若い失語症者のつどい〜はじめの一歩〜
平成25年2月 友井規幸