第34回埼玉県若い失語症者のつどい
~はじめの一歩〜

前回は「面接」についての所感を述べましたが、今回は、「働く」について述べたいと思います。

面接が終わり、合格した失語症者は、働かなくてはいけません。どんな仕事か、事務作業やパソコンの作業などあることでしょう。でも、仕事よりも一番大事な事、それは、「人間関係」です。

いい上司や同僚に恵まれれば、人間関係もいいし、仕事もいいし、言う事なしです。しかし、悪い人間関係だとすると、「馬鹿か、おまえは。何でそんなこと出来ていないんだ」というパワーハラスメントのような気分を持つ、そんなことはありませんか?

失語症者は、会話や電話、計算など出来ないし、劣等感があります。次第に居づらくなり、最後は、体調が悪くなり、精神がまいってしまう事もよく聞きます。でも、それでは「合格」した意味がなくなってしまいます。

では、どうすればいいのでしょうか?私が考えるには、面接を受ける時には、「私が面接を受ける」と同時に「会社を面接をしてやろうと思う事」ですよ。あなたが、「合格」「不合格」をつければいい事です。会社も「来て欲しい」、あなたも「是非行きたい」となる事。それが、相思相愛になるからです。不景気の中、厳しいとは思いますが、相思相愛じゃなければ、また別の会社を受けることです。

そうはいっても、普通の人は、入社当時はいいけど、だんだん面倒くさくなっていくものです。ただ、人は単純な生き物で、今日言っていた事は、明日になれば忘れているもんです。明るく過ごしていたら、きっといい朝は、巡ってくるでしょう。あなたは、会社に「合格」と言って入ったんだから・・・。でも、本当に辛かったら、辞めてもいいですよ。

私は、パワハラちっくな事、しょっちゅうあります。ですが、こう考えています。私が、仮に上司で、失語症者担当になったら、イライラしていたことでしょう。それに比べたら、私の上司や同僚は、まあまあかなあと思いますよ。要は、私が言いたいのは、「相思相愛であれば、ずっと働く」という事です。


埼玉県若い失語症者のつどい〜はじめの一歩〜
平成22年11月 友井規幸