第33回埼玉県若い失語症者のつどい
~はじめの一歩〜
「面接」というのは、試験の面接を受ける時、また、オーディションで面接を受ける時、などありますが、なんと言っても、障害者にとって、失語症者にとって、就職の時受ける面接は、大事なものでしょう。緊張はするし、あぶら汗は出てくるし、言葉もうまく出てこないと思います。でも、合格しないといけません。

職業訓練や職業施設などで、職業リハビリテーションの訓練を実施していくと思います。ようやく卒業します。まず、会社を受ける時、体力面と生活面をクリアしないとダメですよ。例えば、出退社する時、電車は混むのか、座れるのか、会社のトイレは和式か、洋式か、昼食は?自動販売機は?など、いろいろな点が出てきます。私もありました。

で、ようやく、面接です。会社の人事は、スキルと人柄を見て採用します。私の予想ですが、失語症者は、あまりスキルは、重要視されていないと思います。もちろん、施設で学んだExcelやWordやプログラムなど、必要だと思います。でも、見ているのは、人柄。誠実、責任感、協調性、行動力などを判断して、合格か、不合格かを決めています。

一般的には、過去の自分、現在の自分、未来の自分を話す事から始めます。しかし、失語症者にとって、元気な頃の過去はもういいから、障害を負ってからの自分、現在進行形の自分を話す方がいいと思います。話が下手っていう人には、自分の書いた作文でも、ボイスでも、メールでもいい。本当の事を喋れることは、ここしかないって思う事。(私の予想ですよ)

人事から見てみれば、面接にはどんな人が来るのだろう?とか、障害の程度は?不安な気持ちはあるはずです。そこに失語症者は乗り込んでいくわけですから、偉いものだと思います。一度、失語症者と人事、反対の立場になっていく方がいいと思いますよ。例えば、障害者の採用を言われた時の感想は?とか、座右の銘はなんですか?とか、聞いてみたら・・・。そうすれば、緊張も和らぐんじゃないですか?


埼玉県若い失語症者のつどい〜はじめの一歩〜
平成22年9月 友井規幸